エヌエスティ・グローバリスト株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役:山本直)は、LPWA(Low Power Wide Area)分野のリーディングカンパニーとしてLoRa無線独自技術を用いたセンサーIoTで多くの現場における課題解決を誇ります。
世界的に異常気象が増加している中、自治体や所有者、施工業者などで建設残土が不適切に盛り土された現場を適時監視するには、定期的に現場に出向いて安全点検が必然となることから点検作業員の確保と労務費の増加が予想されます。
この度、土砂災害の起点となる“盛り土”の異変に対して、センサーと広域無線を活用したスマートIoTによって現場に出向かなくても遠隔地で状態把握が可能となる「土砂崩れ監視サービス」を2022年4月21日から提供開始いたします。
盛り土崩れによる被害
提供の背景
近年、局地的な豪雨が多発しており、土砂災害も全国各地で報じられています。中でも50,000カ所以上の「盛り土」と呼ばれる造成地は元の地盤より弱いとされ、大量に水を含むと地盤と盛り土の境界部分が崩れ大事故に発展する恐れがあります。盛り土に関する規制については、法改正案により罰則強化の流れが進んでいますが、既存の盛り土に対しても安全性の確認が重要な社会問題となっています。
現実として、豪雨の中で現場点検を行うには人員確保や作業員の安全対策など様々な課題があります。さらに、通常時でも、定期的に現場を巡回して目視点検を行っていては作業効率の向上が望めません。
本システムでは、監視対象エリアに設置した各種センサーを広域LoRa無線で定期的にデータ取得することで現場状態の危険性を判断、異常値が計測された際には管理者へアラートメールを通知して点検作業の省力化と作業安全性の向上を図ることができます。また、センサーや通信機器には電源が必要ですが、太陽光電源装置「SpreadRouter-SOLAR」を利用することで解決を図ることが可能です。
サービスの特徴
1. 複数種のセンサーから現場の危険性を判断
盛り土の「土壌水分状態、地盤傾斜状態」を測定して蓄積されたデータからトレンド分析を行い、様々な角度から現場をピンポイントで状態把握。大雨や地震による僅かな変化を検知しアラート通知を配信します。土壌水分や地盤傾斜センサー以外のデータ取り込みが可能です。
2. 異常判定で作業者の駆け付け機能
各現場の計測値を蓄積し、モニタリングやグラフによる視覚的表示の他、設置現場毎に土壌水分値、土砂傾斜状態が異常となる閾値を設定することで現場ごとのリアルタイムな変化を判断できます。異常検出時にはメールでのアラート通知機能を提供します。
3. 免許不要、通信費無料のLoRa無線でデータ集約
見通し距離:10km、且つ12段ホップで広範囲エリアを網羅することが可能なため、計測箇所が点在していても手軽に無線ネットワークが構築できます。通信インフラが整備されていない地域や山間部などでは有効的な通信手段になります。
4. 商用電源は不要
計測現場に設置するセンサーや通信機器の電源は太陽光と蓄電池がセットになっているため、電源確保を心配する必要はありません。
5. 現場画像の取得にも対応 ※オプション機能
センサーによる監視サービスのスタンダードプランに加え、プレミアムプランでは現場状況をカメラで撮影しクラウドで静止画を記録、現場の状況変化を画像で確認することも可能です。
LoRa無線独自技術
- 無線出力20mWの標準タイプに加え、電波が届きにくいエリアでは出力を250mWに向上した高出力タイプの2種類を用意
- 広域無線エリアを構築する為、中継局を最大12台まで設置可能とした12段ホップ機能を搭載
- LoRa無線はセンサーデータ向けのため送信データ長が短く大容量のデータには不向きとされていますが、高圧縮技術と100byte分割送信で静止画像転送を実現